青色申告とは

青色申告とは

我が国の所得税は、納税者が自ら税法に従って所得金額と税額を正しく計算し納税するという申告納税制度を採っています。 1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告するためには、収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成したり受け取ったりした書類を保存しておく必要があります。
ところで、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる青色申告の制度があります。
青色申告をすることができる人は、 不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。

青色申告者については、一定の要件を備えた帳簿書類を備え付け、記録し、保存するよう定められていますが、白色申告者に対しても、記帳制度や記録保存制度が設けられています。

誕生は目黒!? 青色申告制度

大正12年に開業した目黒の洋品店経営者・喜多村実氏は、戦後(昭和23年)になって、目黒区学芸大学駅前にある共同店舗(金物店) の経営内容(帳簿)を新聞紙上で公開、いわゆる「ガラス張り(公開)経営」を提唱しました。これに目を留めたGHQ税制視察団・ シャウプ博士が“日本にも納税者自身が記帳し、申告する制度が根付くに違いない”と判断したことで、青色申告制度のキッカケにな ったと言われています。(国税庁HPより)

青色申告の特典

青色申告の特典のうち主なものについて説明します。

青色申告特別控除

不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則、(一般的には複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、原則としてこれらの所得を通じて最高65万円を控除することとされています。
また、それ以外の青色申告者については、不動産所得、事業所得及び山林所得を通じて最高10万円を控除することとされています。

青色事業専従者給与

青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。
なお、青色事業専従者として給与の支払を受ける人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

貸倒引当金

事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者で、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額を必要経費として認めるというものです。ただし、金融業の場合は 3.3%になります(一括評価)。
なお、貸金のうち、貸倒れその他これに類する一定の事由による損失の見込額については、それぞれの事由に応じた限度額までを、貸倒引当金勘定に繰り入れることができますが(個別評価)、その際必要経費に算入された金額の計算の基礎となった貸金は一括評価を行う帳簿価額の合計額から除かれます。

純損失の繰越しと繰戻し

事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します。
また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

青色申告者の帳簿書類とその保存

青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記によることが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。
これらの帳簿及び書類などは、原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。

青色申告と白色申告の違い

青色申告と白色申告の主な違い

青色申告 白色申告
届出 必要
詳細は「青色申告の手続き」をご覧ください
青色申告特別控除 最高65万円もしくは10万円
(要件あり)*1
事業専従者給与の必要経費算入 届け出が必要
仕事の内容や従事の程度からみて相当であると認められる金額
  • 配偶者である事業専従者 860,000円
  • 配偶者以外の事業専従者 500,000円
純損失の繰り越し及び繰り戻し 繰り越し
…翌年以降3年間可能
繰り戻し
…損失額を前年分の所得金額に繰戻して控除し所得税の還付を受けることが可能
備付帳簿 詳細は「青色申告者の帳簿書類」をご覧ください 収入や必要経費を記入した帳簿
保存期間 1.帳簿・決算関係書類・現預金取引等関係書類…7年
2.上記1.以外の書類(請求書、見積書契約書等)…5年
  • 収入や必要経費を記載した帳簿…7年
  • 任意帳簿、請求書、領収書等…5年
その他 上記特典に加え、60種類ほどの特典あり

令和元年10月31日現在

*1 令和2年より現行の65万円特別控除の要件に加え、e-Taxによる電子申告又は電子帳簿保存が追加されます。
≪現行の65万円特別控除要件≫
複式簿記により作成された貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添付し期限内に提出すること